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化学療法の領域 2018年3月号(Vol.34 No.3)

P61(417)~69(425)

特集 マイクロバイオームと生体恒常性・疾患

5.口腔内細菌の全身疾患への関わり

Oral microflora and systemic diseases

日本大学歯学部 特任教授 落合邦康(Kuniyasu Ochiai)
日本大学歯学部細菌学 専修研究員 マーニE.クエノ(Marni E. Cueno)
日本大学松戸歯学部感染免疫学 教授 落合智子(Tomoko Ochiai)

                                                         
Summary

 近年の次世代シークエンサーの出現とともに確立された「メタゲノム解析」により,腸内マイクロバイオームを中心とした生体各部位におけるフローラの解析が行われ,Synbiosis,つまり共生細菌の重要性が認知された。その結果,そこで生じるDysbiosisが各種疾患と深くかかわっていることが明らかとなってきた。すなわち腸内フローラのDysbiosisは,炎症性腸疾患,がん,動脈硬化,糖尿病,肥満などの疾患と関係しているとされ,腸内フローラの変化は疾患の結果ではなく,むしろ原因となり得ると考えられるようになった。口腔の二大疾患,う蝕と歯周病も口腔フローラのDysbiosisによって発症することが解明されており,最近の基礎研究や疫学調査から,口腔の感染症は単に口腔のみに留まらず,さまざまな全身疾患の誘因となることが明らかとなっている。高齢化社会におけるQOL(quality of life)の維持と医療費削減を実現するためには,中高年の口腔の機能維持と全身の健康管理がきわめて重要となる。それを実現するために,国民の口腔ケアに対する啓蒙活動の促進と,医歯薬連携を中心としたさまざまな取り組みが必要となる。

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