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医薬ジャーナル 2011年11月号(Vol.47 No.11)

p62(2676)~p67(2681)


MONTHLY PRESS


 
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企業活動

抗PD-1抗体と関節リウマチ治療剤
戦略的提携契約を締結
ブリストル・マイヤーズ スクイブ
小野薬品工業

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ(以下,BMS)と小野薬品工業は9月21日,「BMS-936558/ONO-4538」と「オレンシア®」(一般名:アバタセプト)の日本での共同開発・販売について,戦略的な提携契約を締結したと発表した。完全ヒト型抗PD-1抗体である「BMS-936558/ONO-4538」は2005年,小野薬品工業と米国メダレックスが共同で創製し,現在,癌を対象に開発が進められている免疫療法剤。BMSは,2009年にメダレックスを買収した際に,この抗PD-1抗体を北米で開発・商業化する権利を取得した。今回の契約に基づき小野薬品工業はBMSに,北米以外の地域のうち同社が開発・商業化の権利を留保する日本・韓国・台湾を除く全世界で,同製剤の独占的開発・商業化の権利を供与する。
 また,両社は関節リウマチの治療用の生物製剤である「オレンシア®」を日本で共同開発・販売する。今回の契約は,「オレンシア®」に関して,今後獲得するすべての適応症に適用される。「オレンシア® IV 」は,BMSの日本子会社であるブリストル・マイヤーズ(BMKK)によって,国内では2010年9月に既存治療で効果不十分な関節リウマチを対象に上市された。一方,「オレンシア® SC」は,国内で現在,第 III 相臨床試験の段階にある。

2011年度グッドデザイン賞受賞
「電子血圧計R800」
「薬剤溶出型冠動脈ステント ノボリ」
テルモ

 テルモは10月11日,同社の商品が公益財団法人日本デザイン振興会主催「2011年度グッドデザイン賞」(Gマーク)を受賞したと発表した。
 受賞商品は,使いやすさを追求したデザインの血圧計と,心臓の冠動脈の開存性を維持するために用いる薬剤溶出型ステント。上腕式電子血圧計「テルモ電子血圧計R800」は,同社開発の「らくらくスルー腕帯」が採用され,腕に通すだけで正しく装着することが可能。測定後には折りたたんで小さく収納できる。また,表示画面の大きさや表示角度,ロングチューブなど各部に,使いやすさが追求されている。
 一方,薬剤溶出型冠動脈ステント「ノボリ」は,心臓周りの冠動脈が狭窄・閉塞することによって起こる狭心症,心筋梗塞などの治療に使用する埋め込み型の治療機器。バルーンカテーテルで冠動脈を拡張した後に,ステントを血管内に留置し,留置後再び狭窄を起こすことを防ぐため,薬剤が塗布されている。国内市場で唯一,薬剤のコーティング素材に,生分解性ポリマーが採用されており,ポリマーと薬剤は,血管組織に接する面にのみ塗布されている。


◇興和/ナノキャリア:抗癌剤「エピルビシンミセル」に関するライセンス契約=興和は9月26日,抗癌剤「エピルビシンミセル」(一般名)について,独占的な製造・販売と共同開発契約を,ナノキャリアとの間で締結したと発表した。同社は,ナノキャリアが持つミセル化ナノ粒子に低分子化合物の薬物を封入する技術に着目し,同社パイプラインのpH(potential Hydrogen)応答性システムを採用したエピルビシンミセルについて,共同開発を進めていた。
 同製剤は,アントラサイクリン系の抗癌剤の一つであり,適用対象は広いが,副作用としての心毒性が問題となっている。ミセル化によりエピルビシンの有する心毒性の軽減が期待され,さらにpH応答性システムを採用することで,細胞内でのエピルビシンの放出量を高め,より強力な抗腫瘍効果が期待される。
◇東京大学/小野薬品工業:リピドミクスによる創薬標的の探索に関する契約締結=小野薬品工業と東京大学は9月28日,脂質の網羅的解析(リピドミクス)による新規創薬標的の探索に関して共同研究契約を締結したと発表した。両者と島津製作所は,2011年から東京大学大学院医学系研究科内に社会連携講座「リピドミクス講座」(研究統括:北 芳博 特任准教授)を設置している。同講座は,ゲノム・プロテオームに続く次の研究課題として,生理活性脂質・膜脂質などの脂質分子を系統的・網羅的に解析。生命維持にそれらがどのように関わるかを明らかにするとともに,その代謝異常としての生活習慣病など各種疾患のバイオマーカーを探索することを目的にしている。
◇シミック:中国と合弁会社設立=シミックは10月13日,中華人民共和国と合弁会社を設立したと発表した。同社は2011年2月,中国のCRO(医薬品開発受託機関)である普瑞盛(北京)医薬科技開発有限公司に21%の資本参加を行い,日中合弁会社を設立するという,合弁契約を締結していた。この度,中国関係当局から合弁会社設立の承認を取得し,合弁事業を開始した。
◇東レ/田辺三菱製薬:掻痒症改善剤「TRK-820」ライセンス契約締結=東レと田辺三菱製薬は10月14日,東レが開発した新規掻痒症改善剤「東レ開発番号:TRK-820」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)について,北米での掻痒症に対する独占的開発と販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。
 TRK-820は,オピオイドκ受容体に対する選択性の高い作動薬。国内では,血液透析患者への掻痒症改善剤「レミッチ®カプセル2.5μg」(製造販売元:東レ,販売元:鳥居薬品株式会社,提携:日本たばこ産業株式会社)として2009年3月より販売されている。また,慢性肝疾患やアトピー性皮膚炎に伴う掻痒症についても,臨床開発が進行している。


新製品
2型糖尿病治療薬
『トラゼンタ®錠5mg』
日本ベーリンガーインゲルハイム
日本イーライリリー

 日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーは9月15日,2型糖尿病治療薬『トラゼンタ®錠5mg』(一般名:リナグリプチン)を発売した。同製剤は,食事療法,運動療法のみで十分な効果が得られない患者が対象。日本では日本ベーリンガーインゲルハイムが製造販売を行い,両社で共同販促を行う。
 同製剤は,1日1回1錠投与で血糖コントロールを改善する世界初の胆汁排泄型選択的DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)阻害剤。腎機能低下リスクが高い場合のアンメットニーズに対しても,新たな治療選択肢を提供する。国内では,他の糖尿病治療薬との併用療法での製造販売承認は取得していない。
<薬価>トラゼンタ®錠5mg=209.40円/5mg1錠

骨粗鬆症治療薬
『リカルボン®錠50mg/ボノテオ®
50mg』
小野薬品工業/アステラス製薬

 小野薬品工業とアステラス製薬は9月16日,骨粗鬆症治療薬『リカルボン®錠50mg(小野薬品)/ボノテオ®錠50mg(アステラス製薬)』(一般名:ミノドロン酸水和物)を発売した。
 同製剤は,アステラス製薬が創製し,両社が共同開発したビスホスホネート系の薬剤。破骨細胞による骨吸収を抑制して,骨密度や骨強度の増加をもたらす。同製剤の1日1回連日経口剤は,「リカルボン®錠1mg/ボノテオ®錠1mg」として2009年4月より販売されている。新たに販売された薬剤は,同製剤の4週1回服用型の経口剤。国内で実施された第 II ・ III 相試験では,主要評価項目とした最終評価時の腰椎平均骨密度変化率について,1日1回連日経口剤1mgに対する非劣性が検証された。副作用発現率も,1日1回連日経口剤1mgに対して大きな差は認められなかった。この試験結果より,『リカルボン®錠50mg/ボノテオ®錠50mg』は,同製剤の1日1回連日経口剤と同様の骨折防止効果を有していると考えられ,服用頻度の低減により患者の利便性の向上が期待される。
<薬価>リカルボン®錠50mg/ボノテオ®錠50mg=3,433.40円/50mg1錠

過活動膀胱治療剤
『ベタニス®錠25mg』『同50mg』
アステラス製薬

 アステラス製薬は9月16日,過活動膀胱(OAB)治療剤『ベタニス®錠25mg』と『同50mg』(一般名:ミラベグロン)を発売した。効能・効果は,OABの尿意切迫感と頻尿,切迫性尿失禁。
 同製剤は,同社が創製・開発した1日1回経口投与で選択的β3アドレナリン受容体作動性の過活動膀胱治療剤。選択的β3アドレナリン受容体を選択的に刺激し,膀胱を弛緩させることで,蓄尿機能を高め,OABでの尿意切迫感,頻尿,切迫性尿失禁などの症状を改善する。国内で実施された第 III 相臨床試験では,主要評価項目である24時間あたりの排尿回数の平均変化量で,プラセボ群との比較で同製剤の有効性が認められた。
<薬価>ベタニス®錠25mg=113.00円/25mg1錠,同50mg=189.80円/50mg1錠

関節リウマチ治療薬
『シンポニー®皮下注50mgシリンジ』
ヤンセンファーマ

 ヤンセンファーマは9月16日,関節リウマチ(RA)治療薬『シンポニー®皮下注50mgシリンジ』(一般名:ゴリムマブ[遺伝子組換え])を発売した。
 同製剤は,ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤で,既存治療で効果不十分なRA(関節の構造的損傷の防止を含む)が適応症。欧米で2009年に承認されて以来,2011年6月現在で,40以上の国と地域で承認済み。また国内では,田辺三菱製薬と同社が共同開発で臨床試験を実施し,同社が2011年7月に製造販売承認を取得した。今後は両社が共同販売する。
 ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体であるゴリムマブは,TNF-αに結合し,その作用を阻害することで,関節リウマチの臨床症状の改善に加え,真のエンドポイントである関節破壊の進展抑制効果を示すと報告されている。同製剤は,日本人RA患者を対象に臨床試験が行われ,長期間にわたるRAの疾患活動性,関節破壊進展抑制効果,身体機能改善効果と安全性が確認された。(国内第 II ・ III 相二重盲検比較試験)。
<薬価>シンポニー®皮下注50mgシリンジ=142,184円/50mg1シリンジ

MRSA感染症治療薬
『キュビシン®静注用350mg』
MSD

 MSDは9月22日,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA:Methicillin-resistant Staphylococcus aureus)感染症治療薬『キュビシン®静注用350mg』(一般名:ダプトマイシン)を発売した。
 同製剤は,環状リポペプチド系抗生物質。グラム陽性菌の細胞膜に結合し,細胞機能不全を引き起こして細菌を死滅させる新しい作用機序により,MRSAに有効性を示す。同製剤は,1日1回30分かけて静脈内に投与する。2011年9月現在,73カ国で承認されており,国内ではMSDが,2011年7月に製造販売承認を受けた。
<薬価>キュビシン®静注用350mg=13,154円/350mg1瓶

若年性特発性関節炎治療薬
『ヒュミラ®皮下注20mgシリンジ
0.4mL』
アボット ジャパン/エーザイ

 アボット ジャパンとエーザイは9月29日,ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体『ヒュミラ®皮下注20mgシリンジ0.4mL』(一般名:アダリムマブ)を発売した。多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎の適応で,体重の少ない患者が対象。
 同製剤は,体重15~30kg未満の体重の少ない若年性特発性関節炎患者の治療のために開発された。患者の体重に応じて既存の「ヒュミラ®皮下注40mgシリンジ0.8mL」と使い分けることが可能。1回に全量を使い切ることができる皮下注射製剤なので,簡便に自己注射を行うことが可能となっている。
 国内での製造販売承認は,アボット ジャパンが取得,アボット ジャパンとエーザイによる1ブランド1チャネル2プロモーション方式が行われており,販売はエーザイが担当している。
<薬価>ヒュミラ®皮下注20mgシリンジ0.4mL=37,739円/0.4mL・20mg1シリンジ

抗てんかん剤
『ガバペン®シロップ5%』
ファイザー

 ファイザーは10月5日,抗てんかん剤であるガバペン®(一般名:ガバペンチン)の新用量・剤形追加医薬品として,『ガバペン®シロップ5%』を発売した。
 ガバペン®は1973年にドイツで合成され,1993年に英国と米国で,成人でのてんかん部分発作に対する併用療法として承認された。現在は93の国と地域で使用され,3歳以上の小児に対しても61の国と地域で承認されている。
 国内では,2006年7月に「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果として承認された。さらに,2011年7月,既存の適用に対する3歳以上の小児の用法・用量が承認され,用量調節に適した服用しやすい剤形としてシロップ剤が開発された。
<薬価>ガバペン®シロップ5%=21.90円/5%1mL

遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤
『フォリスチム®注900 IUカートリッジ』
MSD

 MSDは10月5日,遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤の新剤型『フォリスチム®注900 IUカートリッジ』(一般名:フォリトロピンベータ[遺伝子組換え])を発売した。同製剤は,2008年10月に発売された「フォリスチム®注300 IUカートリッジ」,「フォリスチム®注600 IUカートリッジ」と同一濃度で,新用量の製品。2011年6月に製造販売承認を取得した。
 「フォリスチム®」は,不妊治療を目的として,女性の卵巣を刺激し排卵を誘発する薬剤。国内では2005年に,バイアル製剤「フォリスチム®注75」,「フォリスチム®注150」が,体外受精等の生殖補助医療を目的とする「複数卵胞発育のための調節卵巣刺激」の適用を国内で唯一取得。2007年には,「視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の適用も取得した。
<薬価>フォリスチム®注900 IUカートリッジ=49,971円/900国際単位1筒


海外申請情報

[第一三共:Injectafer®
 第一三共は10月13日,同社の米国子会社であるLuitpold Pharmaceuticals, Inc.(ルイトポルド・ファーマシューティカルズ Inc.)が,鉄欠乏性貧血の治療剤「Injectafer®」(一般名:ferric carboxymaltose injection)について,米国FDA(食品医薬品庁)に承認申請を行ったと発表した。
 同製剤は,2008年3月にFDAから追加試験データを求められたことから,一旦承認申請を取り下げ,安全性と有効性に関する試験を実施し,再申請を行ったもの。

国内申請情報

[日本イーライリリー:オランザピン]
 日本イーライリリーは10月5日,「オランザピン速効型筋注製剤」の承認申請を行ったと発表した。同製剤は統合失調症の急性期治療のための非経口的薬物療法の選択肢の一つとなる。
 統合失調症の急性期には,リスクが高い危険な行動につながるような過度の興奮,焦躁,激越などの精神症状を速やかに鎮静させるために,経口投与が難しい際には注射剤が使用される場合がある。統合失調症治療ガイドラインによると,急性期治療の薬物治療では,定型抗精神病薬より錐体外路障害が少ない非定型抗精神病薬が第一選択薬とされているが,現在,急性期治療に対する非定型抗精神病薬の注射剤は承認されていない。
 オランザピン(商品名:ジプレキサ®)は,非定型抗精神病薬と呼ばれる統合失調症治療薬。1996年に米国で発売され,日本では2001年6月にジプレキサ®錠(フィルムコート錠)の販売が開始され,現在,ジプレキサ®細粒,ジプレキサ®ザイディス錠(口腔内崩壊錠)などの剤型がある。オランザピン筋注は,非経口的治療が必要となる統合失調症の急性期治療薬として開発され,2011年現在,約83の国と地域で承認されている。

国内承認情報

[小野薬品工業:プロイメンド®点滴静注用150mg]
 小野薬品工業は9月26日,選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤「プロイメンド®点滴静注用150mg」(一般名:ホスアプレピタントメグルミン)について,製造販売承認を取得したと発表した。
 同製剤は,2004年11月に締結された同社とMerck Sharp & Dohme Corp.とのライセンス契約に基づき,国内では同社が単独開発したもの。現在,米国とEU諸国を含め30カ国以上で承認・販売され,すでに米国国立包括癌ネットワーク(NCCN:National Comprehensive Cancer Network)のガイドラインでは,シスプラチン等の高度催吐性の抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防薬として使用が推奨されいる。
[中外製薬:アバスチン®
 中外製薬は9月26日,抗悪性腫瘍剤「アバスチン®」について,「手術不能又は再発乳癌」での効能・効果,用法・用量の追加承認を取得したと発表した。これは,国内で実施された第 II 相臨床試験と海外で実施された第 III 相臨床試験の成績に基づいたもの。海外で実施された化学療法未治療の進行・再発乳癌患者を対象とする試験で,パクリタキセルにアバスチン®を併用した患者では,パクリタキセルの単独投与を受けた患者に比べ,主要評価項目である無増悪生存期間を統計学的に有意に延長することが認められた。また,国内で実施された化学療法未治療の進行・再発乳癌患者を対象とする第 II 相臨床試験でも,パクリタキセルとの併用で日本人の患者での同製剤の有効性が確認されるとともに,忍容性も海外臨床試験と同等の水準にあることが認められた。
[旭化成ファーマ:テリボン]
 旭化成ファーマは9月26日,骨粗鬆症治療薬「テリボン皮下注用56.5μg」(一般名:テリパラチド酢酸塩)について,骨折の危険性の高い骨粗鬆症の効能・効果で製造販売承認を取得したと発表した。
 同製剤は,同社が創製した骨形成促進作用を有するヒト副甲状腺ホルモン(ヒトPTH)製剤。国内で実施された第 III 相臨床試験では,週1回72週間の皮下投与で,プラセボ群に比べて,新規椎体骨折の発生リスクを78.6%減少させた。骨粗鬆症の国内患者数は,高齢化の進展に伴い増加しており,潜在患者を含めると現在1,100万人以上と推定される。
[ノバルティス ファーマ:ジレニア®カプセル0.5mg]
 ノバルティス ファーマは9月26日,多発性硬化症治療剤「ジレニア®カプセル0.5mg」(一般名:フィンゴリモド塩酸塩)について,製造販売承認を取得したと発表した。
 同製剤は,多発性硬化症治療薬としては初めての経口剤で,効能・効果は,多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)の再発予防と身体的障害の進行抑制。MSは,感覚障害,視神経炎,運動麻痺などが認められる中枢神経系の脱髄疾患であり,症状は再発と寛解を繰り返す。四肢の不自由や,車椅子での日常生活を余儀なくされることがあり,厚生労働省の特定疾患に指定されている。国内で診断・登録されている患者数は約14,000人。
[田辺三菱製薬:テラビック®錠250mg]
 田辺三菱製薬は9月26日,C型慢性肝炎治療薬「テラビック®錠250mg」(一般名:テラプレビル,開発コード:MP-424)について,製造販売承認を取得したと発表した。
 同製剤は,米国ヴァーテックス社が創製した抗ウイルス剤。C型肝炎ウイルス(HCV)の複製に関与するNS3-4Aセリンプロテアーゼを阻害することにより,HCVの増殖を抑制するファースト・イン・クラスの経口のC型慢性肝炎治療薬となっている。同製剤を含む3剤併用療法(テラプレビル+ペグインターフェロン アルファ-2b[遺伝子組換え]+リバビリン)は,従来の2剤併用療法と比較して,ジェノタイプ1のC型慢性肝炎患者に対し,治療効果の改善と治療期間が短縮できると確認された。また,従来の治療で再燃した患者や無効であった患者にも有効性が認められた。臨床試験での主な副作用は,ヘモグロビン量の低下や皮膚症状。
[ヤンセンファーマ:イトリゾール®内用液1%]
 ヤンセンファーマは9月26日,経口抗真菌剤「イトリゾール®内用液1%」(一般名:イトラコナゾール)について,一部変更承認を取得したと発表した。変更点は,「アスペルギルス属,カンジダ属,クリプトコックス属,ブラストミセス属,ヒストプラスマ属による真菌感染症(真菌血症,呼吸器真菌症,消化器真菌症,尿路真菌症,真菌髄膜炎,ブラストミセス症,ヒストプラスマ症)」,「真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症」,「好中球減少が予測される血液悪性腫瘍又は造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の新効能・効果と,用法・用量の追加。
 イトラコナゾールは,1980年にヤンセンファーマスーティカN.V.社(ベルギー)で合成されたトリアゾール系抗真菌薬。イトラコナゾールを有効成分とする製剤として,国内ではカプセル,内用液,注射剤の3製剤が販売されている。「イトリゾール®内用液1%」は,2006年7月にカンジダ属による口腔咽頭カンジダ症と食道カンジダ症の効能・効果で承認されたが,今回,国内外の臨床試験の結果に基づき,前述の効能・効果,用法・用量の追加が認められた。


学会・団体

第9回産学官連携功労者表彰決定
世界初「薬用植物(甘草)の人工水耕栽培」
医薬基盤研究所/鹿島建設/千葉大学

 独立行政法人医薬基盤研究所,鹿島建設,国立大学法人千葉大学は9月20日,3者による研究成果である「薬用植物(甘草)の人工水耕栽培システムの開発」が,内閣府の「第9回産学官連携功労者表彰(厚生労働大臣賞)」に選ばれたと発表した。
 同研究は,国内使用量の100%を輸入に依存し,第2のレアアースとも言われる最も汎用性の高い薬用植物「甘草」の国内での安定供給を目指したもの。世界で初めて人工水耕栽培システムの開発に成功した。甘草の良好な栽培条件を見出し,人工水耕栽培とすることで大幅な栽培期間短縮を実現。均質で良質な苗を開発し,高品質の甘草を安定的かつ継続的に生産可能とした。

小児薬物療法認定薬剤師制度創設
日本小児臨床薬理学会
日本薬剤師研修センター

 日本小児臨床薬理学会と日本薬剤師研修センターは10月13日,小児科領域での専門性の高い薬剤師の養成を目標とした「小児薬物療法認定薬剤師制度」を創設すると発表した。平成24年(2012年)度の開始を目指している。
 同制度設立の目的は,医療チームの一員として小児薬物療法に参画するための能力と適正を備え,さらに患児とその保護者等に対して,適切な助言と行動ができる薬剤師を養成するというもの。
 認定は,両者が主催する小児薬物療法研修会を修了した後,修了試験に合格,6時間の小児関連実務研修を修了していることが条件。更新は3年ごとに行われる。
 今後の詳細については,日本薬剤師研修センターホームページ(http://www.jpec.or.jp/)で順次発表される。

骨粗鬆症治療薬(BP製剤)の
服用に関する調査結果
骨粗鬆症財団

 財団法人 骨粗鬆症財団(折茂 肇 理事長)は10月13日,7月に行われた骨粗鬆症治療薬「ビスホスホネート(BP)製剤」の服用に関するインターネット調査の集計結果を発表した。
 同財団は2011年7月11~同12日,これまでに骨粗鬆症である,あるいは疑いがあると診断されたことがある50歳以上の男女393人を対象に,インターネットを用いてアンケート調査を行った。
 その結果,〈1〉 「1日1回服用」する治療薬より,「1週間に1回服用」する治療薬を服用しているケースが多い,〈2〉 「効果が実感できない」,「服用が面倒」などの懸念,煩わしさを感じているケースが比較的多い,〈3〉 日本国内では9月に販売が開始された「4週間に1回」服用する治療薬に関心,期待感がある,などの傾向が確認された。





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