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CLINICAL CALCIUM 2018年2月号(Vol.28 No.2)

p7(165)


特集 生体骨イメージング最前線~新しい創薬に向けて~ Preface


生体を見ることで得られる「動く,動かぬ証拠」
~創薬の新時代の幕開け~

石井  優
Masaru Ishii

大阪大学大学院医学系研究科/生命機能研究科・免疫細胞生物学 教授


 骨の中を生きたままでイメージングして,その中で動き回る破骨細胞の動態を観察し,世界で初めての「動く,動かぬ証拠」を世に出してから,もう少しで10年の年月が経とうとしている。この間,骨の解析は,従来の形態計測・組織学を基盤とした静的な世界から,生き生きとした動的な世界へと変化し,骨の科学のフィールドにはパラダイムシフトがもたらされたと言えよう。さらには,光学系やレーザー,化学プローブ合成など,イメージングを支える基盤技術の日進月歩は著しく,「見えなかったもの」が次々と「見えるもの」となってきた。このように最先端の技術革新が先鋭化していく一方で,骨イメージング技術の成熟が進み,基本的な解析手法が一般化されて,着実に普及が進んでいる。特に,イメージング画像の定量化によって,様々な治療や薬剤の評価を行うことができるようになったことは大きい。得られたイメージング画像を定量化して,その数値データを統計処理して有意差を示してこそ初めて,科学的根拠をもった結論を提示できる。すなわち,イメージングが“アート”から“サイエンス”の手段となった。

 本特集号では,生体骨イメージングのこの10年間の進歩を概説し,特に種々の薬効評価や新しい創薬研究への可能性についてフォーカスを当てている。これが今後の10年でもたらされるべき“骨疾患治療・創薬開発のパラダイムシフト”を議論する基盤的認識となれば幸いである。





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