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医薬ジャーナル 2018年2月号(Vol.54 No.2)

p43(245)~p50(252)


MONTHLY PRESS




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企業活動


オンコロジーCEO・経営委員会メンバーに
ファイザーのエリザベス・バレット氏が
就任


ノバルティス


 ノバルティス(本社:スイス)は1月15日,同社のオンコロジーCEOと経営委員会メンバーに,ファイザーのオンコロジー グローバルプレジデントのエリザベス・バレット氏が,2月1日付けで就任すると発表した。
 バレット氏は,米国出身。米国と欧州でキャリアを積み,米国フィラデルフィアのセントジョセフ大学でマーケティングのMBAを,ルイジアナ大学で経営学の学士号を取得した。また,医薬品業界や消費財分野で数々のリーダーポジションを経験,直近では,ファイザーでオンコロジー事業をリードし,3年弱で大きく成長させた。2009年にファイザーに入社する以前は,セファロンとジョンソン・エンド・ジョンソンに勤務した。
 同社は,同日付けでグローバル薬事部門責任者のロバート・コワルスキー氏が暫定的にグローバル医薬品開発部門(GDD)の責任者に就任することも発表。コワルスキー氏は,2016年2月から同社のグローバル薬事部門責任者を務めており,複数の画期的な医薬品の承認取得で重要な役割を果たした。その中には,同社の革新的なCAR-T(chimeric antigen receptor T)細胞医療であるKymriahTM も含まれている。


感染症の迅速検査試薬キットシリーズ
「アキュラシード」に
エイズなど5項目を追加

和光純薬工業/三洋化成工業


 富士フイルムグループの和光純薬工業と三洋化成工業は12月12日,高速測定が可能な自動化学発光酵素免疫分析装置「Accuraseed®」専用の検査試薬キット「アキュラシード」シリーズに,新たにエイズ,B型肝炎,C型肝炎を対象とした計5項目を開発し,ラインアップを拡充した。和光純薬工業は,同製品の販売を2017年秋より開始。今回のラインアップ追加により,同装置で検査可能な項目は,全21項目となった。
 「Accuraseed®」は,和光純薬工業が検査の迅速化を目指して開発した,抗原抗体反応と化学発光反応を組み合わせた化学発光酵素免疫測定法に基づく免疫分析装置。感染症の検査では,より高速で正確な測定が求められ,特に緊急手術では,感染拡大防止の観点等から,術前の感染症検査による患者の感染有無を迅速に把握する必要がある。同装置専用の検査試薬キット「アキュラシード」シリーズは,抗体を結合させる固相に三洋化成工業独自の磁性粒子「マグラピッド」を採用することで,測定時間10分という高速測定を実現。これにより,生化学検査との同時報告が可能となり,2016年4月の発売以降,迅速な結果報告が求められる診療前検査や緊急検査に貢献した。
 同装置は,これまで,高血圧や心疾患,甲状腺,ガン,糖尿病など16項目に対応。今回新たに感染症関連の診断補助に有用な計5項目,HIV Ag/Ab(エイズ),HBs抗原(B型肝炎),HBs抗体(B型肝炎),HBc抗体(B型肝炎),HCV(C型肝炎)を追加した。

「レンビマ®」と「キイトルーダ®」併用療法
進行性・転移性腎細胞がんの適応で
米国FDAよりブレイクスルーセラピー指定

エーザイ
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.


 エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J.,U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は1月9日,エーザイのマルチキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)とMSDの抗PD-1(Programmed cell death 1)抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法による,進行性または転移性腎細胞がんの適応に対して,米国FDA(食品医薬品局)よりブレイクスルーセラピーの指定を受けたと発表した。同指定については,「レンビマ®」が2回目,「キイトルーダ®」が12回目となる。
 ブレイクスルーセラピーは,重篤あるいは命に関わる疾患に関する薬剤の開発と審査の促進を目的とした米国FDAの制度。この指定を受けるためには,1つ以上の臨床的に重要な評価項目で,既存の治療法と比較し,当該薬剤の顕著な改善を示す予備的臨床エビデンスが必要。ブレイクスルーセラピーの指定を受けることのベネフィットとしては,効率的な開発計画のための助言,審査迅速化のための当局内担当者へのアクセス,プライオリティーレビューのみならず,審査資料の段階的提出・審査(ローリング・サブミッション)などの制度が利用可能になる。
 今回の指定は,臨床第Ib/II相試験(111試験)のうち,腎細胞がんコホートに関するもの。固形がんを対象とした111試験は,「レンビマ®」と「キイトルーダ®」との併用療法の有効性と安全性を評価する多施設共同,非盲検の臨床第Ib/II相試験であり,米国・欧州(EU)で実施されている。



◇田辺三菱製薬/OMR/TC:ALSを含む神経変性疾患治療を目指した抗体医薬に関する共同研究契約締結=田辺三菱製薬,オーダーメードメディカルリサーチ(以下,OMR),Trans Chromosomics(以下,TC)の3社は12月13日,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)を含む神経変性疾患治療を目指した,抗体医薬研究に関する共同研究契約を締結したと発表した。
 OMRは,独自の抗体作製法「LIMAXYS(リマキシス)法」を用いて,従来技術では抗体作製が困難であった標的分子に対する抗体医薬の研究開発に取り組んでいる。TCは,独自の人工染色体技術を用いた完全ヒト抗体産生動物と,神経変性疾患に関する細胞評価方法を保有している。田辺三菱製薬は,脳梗塞急性期の治療薬として使われてきたエダラボン(商品名:ラジカット®[日本],RadicavaTM[米国])について,日本では2015年6月に「筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」の効能・効果を,米国では2017年5月に米国FDA(食品医薬品局)よりALSを適応症とする承認を取得した。
 共同研究では,OMRとTCによって見出されたALSの病態進行に関与するターゲット分子に対し,両社の技術を応用して完全ヒト抗体を作製し,田辺三菱製薬が非臨床薬理試験を担当する。
◇武田薬品工業:Denali Therapeuticsと神経変性疾患治療薬の開発・販売提携=武田薬品工業は1月9日,Denali Therapeutics(本社:米国)と,3つの神経変性疾患治療薬候補の開発と販売に関して,戦略的オプションを含む提携契約を締結したと発表した。各治療薬候補の開発プログラムは,アルツハイマー病やその他の神経変性疾患に対する遺伝学的に検証されたターゲットを対象にしており,Denali Therapeuticsが有する脳へのバイオ治療薬移行性を高めるAntibody Transport Vehicle(ATV)プラットフォーム技術を用いる。
◇エーザイ/バイオジェン・ジャパン:多発性硬化症治療剤の共同販促を開始=エーザイとバイオジェン・ジャパンは1月9日,バイオジェン・ジャパンの多発性硬化症治療剤「テクフィデラ®」(一般名:フマル酸ジメチル),「タイサブリ®」(同:ナタリズマブ[遺伝子組換え]),「アボネックス®」(同:インターフェロンベーター1a[遺伝子組換え])について,同日より日本での共同販促を開始すると発表した。
 両社は契約に基づき,それぞれの担当施設に対して共同販促を行い,適正使用情報を提供する。製造・流通体制に変更はなく,売上はバイオジェン・ジャパンに計上される。
 多発性硬化症は,中枢神経系に対する自己免疫疾患で,炎症を伴う深刻な慢性進行性疾患。認知機能,心理社会的機能と身体機能のすべてに影響を及ぼし,脳・脊髄や視神経など中枢神経系に広く病変が認められるとともに,病変が生じた部位によって視力障害,運動・感覚障害,歩行障害など多様な症状が現れる。このため,確定診断まで数年かかる場合もあり,アンメット・メディカル・ニーズの極めて高い疾患である。日本での多発性硬化症の罹患率は,10万人当たり10.8~ 14.4人と報告されている。
◇塩野義製薬:PharmaINと共同研究契約締結=塩野義製薬は1月10日,PharmaIN Corporation(本社:米国)との間で,共同研究契約を締結したと発表した。PharmaINは,Protected Graft Copolymer(PGCTM)と呼ばれる独自の薬剤送達技術と,革新的なペプチド修飾技術を併せ持つベンチャー企業。また,PGCTM プラットフォーム技術は,ペプチドに留まらず,タンパク質や難溶性の低分子化合物などの物性改善や体内動態の改善にも適用できる可能性がある。
 創薬難易度が高まる中,塩野義製薬が有する低分子・中分子創薬の強みと,PharmaINが有する薬剤送達技術がシナジー効果を発揮し,イノベーションが生み出されると期待される。
◇田辺三菱製薬:中国で「ノバスタン®」の虚血性脳梗塞急性期の効能追加を取得=田辺三菱製薬は1月16日,「ノバスタン®」(一般名:アルガトロバン注射液)について,「下記疾患に伴う神経症候(運動麻痺),日常生活動作(歩行,起立,坐位保持,食事)の改善,発症後48時間以内の虚血性脳梗塞急性期」(以下,虚血性脳梗塞急性期)を適応症として,中国国家食品医薬監督管理総局(CFDA)より,承認を取得したと発表した。
 同製剤は日本で,1990年に「慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍,安静時痛並びに冷感の改善」,1996年に「発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)に伴う神経症候(運動麻痺),日常生活動作(歩行,起立,坐位保持,食事)の改善」の適応症で承認を取得している。
 一方,中国では,1999年5月に,同製剤の中国輸入許可申請をCFDAに行い,「慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍,安静時痛並びに冷感の改善」の適応を承認取得している。
 中国の関係医薬品管理制度を十分に検討し,2017年2月23日に,同製剤の虚血性脳梗塞急性期の適応追加を申請。CFDAは,通常技術審査と同領域の専門家により,同製剤の有用性を審議,その結果,臨床試験を要求することなく,虚血性脳梗塞急性期に対する適応症の追加申請が承認された。
◇DSファーマバイオメディカル/あすか製薬:体外診断用医薬品「ラピッドエスピー®≪クラミジア≫」に関する共同販促契約締結=DSファーマバイオメディカルとあすか製薬は1月16日,DSファーマバイオメディカルが製造販売する体外診断用医薬品 クラミジア抗原キット「ラピッドエスピー®≪クラミジア≫」の共同販促(コ・プロモーション)契約を締結し,2018年2月より開始すると発表した。
 同製剤は,DSファーマバイオメディカルが2010年10月から販売している体外診断用医薬品。簡便な操作により10分の反応時間でクラミジア感染症の検査が可能なPOCT(point of care testing)製品。これにより,クラミジア感染症の検査結果を即日取得し,その日のうちに適切な治療を開始することが可能となった。
 性器クラミジア感染症は,厚生労働省が公表する性感染症報告では最も多い性感染症であり,産婦人科や泌尿器科では日常的に検査されている。若年層の女性がクラミジアに感染することにより,不妊症や流産につながることや,妊婦がクラミジアに感染した状態で出産すると,垂直感染により新生児結膜炎や肺炎の原因にもなることから,あらかじめ適切な治療を行っておくことが臨床上重要。男性では,尿道炎と精巣上体炎の原因になる恐れがある。またパートナーが感染した場合,適切な治療を行わないと相互に再発を繰り返す可能性がある。
◇レスメド:睡眠時無呼吸症候群用のCPAP装置「レスメドAirMiniTM」2月国内上市=レスメド(東京都千代田区,カサンドラ・ファレル社長)は1月23日,睡眠時無呼吸症候群(SAS)の経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)に用いる世界最小の治療装置「レスメドAirMiniTM(以下,AirMini)」を2月に国内上市すると発表した。製品は,在宅医療会社を通じて,医療機関向けにレンタル提供される。
 同製品は,従来品の小型軽量化を図ったもので,重量は300g。患者が寝ている間に,鼻に装着したマスクから陽圧の空気が送られ,気道が拡がり,呼吸しやすくするなる装置。
 SASと診断された患者にはCPAPの利用に健康保険が適用され,1割負担の場合は月額1,500円,3割負担の場合は月額4,500円ほど。
 同製品はAirMiniに連動したAirMiniアプリ(iOSおよびAndroid)をダウンロードすることで,患者自身が夜間の機器使用時間や無呼吸回数などを簡単にチェックすることも可能。治療の継続へのモチベーションを高め,QOL(quality of life)の向上に役立てられるとしている。本体寸法は,13.6× 8.4× 5.2cm。製造業者は,ResMed Limited/レスメドリミテッド(オーストラリア)。



新製品


持続性癌疼痛治療薬
『オキシコンチン® TR錠5mg,同10mg,
同20mg,同40mg』

塩野義製薬


 塩野義製薬は12月8日,持続性癌疼痛治療薬「オキシコンチン®錠」(一般名:オキシコドン塩酸塩水和物)の新剤形品として,乱用防止を目的とした『オキシコンチン® TR錠5mg,同10mg,同20mg,同40mg』を発売した。
 同社では,患者や医療従事者のニーズに応じた適切ながん性疼痛治療が選択できるよう,これまで,錠剤(MSコンチン®錠,オキシコンチン®錠,メサペイン®錠)や散剤(オキノーム®散),注射剤(オキファスト®注)などのオピオイド鎮痛薬を発売。また,オピオイド鎮痛薬により誘発される便秘の緩和薬「スインプロイク®錠」(一般名:ナルデメジントシル酸塩)を2017年6月に発売した。
 がん性疼痛治療では,オピオイド鎮痛薬が重要な役割を果たしており,近年では,在宅医療の重要性も高まっていることから,オピオイド鎮痛薬の適正使用がこれまで以上に求められることが予想される。また,米国では2013年以降,オピオイド鎮痛薬の適正使用が推進され,従来の製剤からの切り替えが進められている。
 今回,同製剤の発売により,オピオイド鎮痛薬の適正使用の更なる推進と乱用の防止が期待される。
<薬価>オキシコンチン® TR錠5mg= 139.60円/1錠,同10mg= 261.30円/1錠,同20mg= 486.10円/1錠,同40mg= 891.40円/1錠


ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体製剤
『レパーサ®皮下注420mg
オートミニドーザー』

アステラス・アムジェン・バイオファーマ
アステラス製薬


 アステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬は1月12日,ヒト抗PCSK9(ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)モノクローナル抗体製剤「レパーサ®皮下注140mgシリンジ,同レパーサ®皮下注140mgペン」(一般名:エボロクマブ〔遺伝子組換え〕)の追加剤形として,『レパーサ®皮下注420mgオートミニドーザー』(以下,AMD)を発売した。
 同製剤は,心血管イベントの発現リスクが高く,HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)で効果不十分な家族性高コレステロール血症,高コレステロール血症の治療に適応される。
 新たな剤形であるAMD製剤は,手のひらに収まるコンパクトサイズで,薬剤が充填されたカートリッジと,専用の自動注入器から構成されている。従来のシリンジまたはペン製剤では420mgの投与に140mg剤形を用いて3回の皮下注射の必要があったところ,AMD製剤は,1回9分かつハンズフリーで投与でき,歩行,手を伸ばす,腰を曲げるといった日常の軽い動作の妨げにならない。また,投与の際に注射針が見えにくい製品設計も特徴の一つ。
 「レパーサ®」は,ヒトモノクローナル抗体で,PCSK9を阻害する。PCSK9に結合して,血中のPCSK9が低比重リポタンパク(LDL)受容体(LDLR)と結合するのを阻害する。その結果,LDLRの分解が抑制され,肝細胞表面でのLDLRの再利用を可能にする。PCSK9のLDLRとの結合を阻害することで,血中LDLを除去するLDLR数を増加させ,LDLコレステロール値を低下させる。米国,日本,カナダ,欧州連合加盟28カ国を含む50カ国以上で承認されており,その他の国でも承認に向けた審査が行われている。
<薬価>レパーサ®皮下注420mgオートミニドーザー= 4,4481.00円/1キット



慢性腎不全用剤
『クレメジン®速崩錠500mg』

田辺三菱製薬



 田辺三菱製薬は1月16日,慢性腎不全用剤『クレメジン®速崩錠500mg』を発売した。同製剤は,クレハが2017年8月15日に製造販売承認を取得,2017年12月8日に薬価基準に収載されたことを受けたもの。
 「クレメジン®」は,クレハが開発した高純度の多孔質炭素からなる球形微粒状の経口吸着薬。慢性腎不全での尿毒症毒素を消化管内で吸着し,生体内に吸収されずに便とともに排泄されることで,慢性腎不全保存期での尿毒症症状の改善や,透析導入に至るまでの期間を延長する世界で初めての慢性腎不全用剤。
 「クレメジン®」は,1991年にカプセル剤(現販売名:クレメジン®カプセル200mg)が,2000年には細粒剤(同:クレメジン®細粒分包2g)が発売された。
 今回発売する『クレメジン®速崩錠500mg』は,服薬ボリュームを大きくすることなく,また,少量の水で速やかに崩壊しながらも口腔内での拡散を抑えることで,患者の服用感が改善し,服薬アドヒアランスの向上につながることが期待される。
 同製剤は,クレハが製造販売し,田辺三菱製薬が販売と医療機関への情報提供活動を実施する。
<薬価>クレメジン®速崩錠500mg= 47.80円/500mg・1錠



海外承認情報


[ファイザー:ボシュリフ®
 ファイザーは1月12日,「ボシュリフ®」(一般名:ボスチニブ)について,初発の慢性期フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML)の成人患者を対象とする適応拡大に関する医薬品承認事項変更申請(sNDA)に関して,米国FDA(食品医薬品局)より承認を取得したと発表した。
 このsNDAは,分子遺伝学的寛解率と細胞遺伝学的寛解率に基づき,米国FDAの優先審査と迅速承認プログラムの下で承認された。この適応での承認取得は条件付きであり,今後も進行中の第III相試験の追跡調査を継続した上で,長期的な臨床的有用性を検証することが求められている。同製剤は,前治療歴のある成人の慢性期,移行期,または急性転化期のPh+ CML治療薬として,2012年9月に米国で最初に承認された。
 今回の承認は,国際多施設共同第III相無作為化非盲検試験であるBFORE試験(Bosutinib trial in First line chrOnic myelogenous leukemia tREatment:初発の慢性骨髄性白血病を対象としたボスチニブ試験)の結果に基づく。同製剤400mg投与群での12カ月時点の分子遺伝学的大寛解(MMR)率は47.2%(95%信頼区間[CI]:40.9, 53.4)であり,現在の標準療法であるイマチニブ400mg投与群の36.9%(95%CI:30.8,43.0)を上回った。(両側検定p= 0.0200)。12カ月時点までの細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)率は,同製剤投与群で77.2%(95%CI:72.0,82.5),イマチニブ投与群で66.4%(95%CI:60.4,72.4)だった。(両側検定p= 0.0075)。
 試験で認められた有害事象は,同製剤の既知の安全性プロファイルと同様だった。同製剤の投与を受けた初発のCML患者で最も多く認められた有害事象(発現率20%以上)は,下痢(70%),悪心(35%),血小板減少症(35%),発疹(34%),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇(31%),腹痛(25%),アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇(23%)だった。



国内第III相試験情報


[Poxel/大日本住友製薬:Imeglimin]
 糖尿病を含む代謝性疾患を対象としたバイオ医薬品の研究開発に取り組むPoxel SA(本社:フランス)と大日本住友製薬は12月27日,Poxel SAが開発中の2型糖尿病治療剤「Imeglimin」(一般名)について,2型糖尿病を対象とした日本での第III相臨床試験を,共同で開始したと発表した。
 両社は,日本,中国,韓国,台湾,東南アジア9カ国を対象とした同製剤の開発・販売提携契約を締結。日本での同製剤の共同開発を実施し,2020年に新薬承認申請を行うことを目指している。
 第III相臨床試験であるTIMES試験(Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety)は,約1,100人の2型糖尿病患者を対象とした3本の臨床試験で構成され,同製剤の有効性と安全性を評価する。同試験の1つであるTIMES 1試験は,200例を超える日本人の2型糖尿病患者を対象とした,多施設共同,二重盲検比較,プラセボ対照,無作為化,単剤療法試験であり,2017年12月に患者登録が開始された。
 同製剤は,新規の作用機序を有する経口投与の2型糖尿病治療剤の候補化合物であり,これまでの臨床試験の結果から,2型糖尿病治療の重要な役割を担う3つの器官(肝臓,筋肉,膵臓)を同時に標的とすることによって血糖降下作用を示すことが期待されている。また,これまでの非臨床試験では,2型糖尿病の病態への関与が示唆されているミトコンドリア機能を改善する可能性を示している。
 これまでに,米国,欧州,日本で,1,200例を超える患者に対して,同製剤の第I・II相臨床試験が実施された。




国内申請情報


[アステラス・アムジェン・バイオファーマ/アステラス製薬:ブリナツモマブ(遺伝子組換え)]
 アステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬は1月9日,アステラス・アムジェン・バイオファーマがCD19とCD3に二重特異性を有するT細胞誘導(BiTE®)抗体製剤「ブリナツモマブ(遺伝子組換え)」(一般名,開発コード:AMG 103)について,日本で,「再発または難治性のB細胞性急性リンパ性白血病(ALL)」の治療薬として,製造販売承認申請を行ったと発表した。日本では,両社が同製剤の共同開発を行っている。
 日本でのALLの患者数は約5,000人と報告されており,このうち,再発または難治性のALL患者は年間約670人と推定されている。成人および小児の再発または難治性のALL患者に対する治療選択肢は限られており,同様の作用機序を持ついくつかの薬剤に依存する上,その有効性は限定的。従って,再発または難治性のALL患者の転帰を向上させるためには,同製剤のような単剤で有効性を示し,他の細胞傷害性治療薬とは異なる作用機序を持つ薬剤の開発が求められている。
 日本での製造販売承認申請は,海外第III相ランダム化試験(TOWER試験)を含む複数の海外試験と国内第Ib/II相試験結果に基づき行った。同製剤はTOWER試験で,成人の再発または難治性のALL患者で,標準化学療法に対する全生存期間の延長が検証されており,重篤な疾病であるALLでアンメット・メディカル・ニーズに対応し得るものと考えられる。
 なお,同製剤は,2017年9月29日付けで厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。
[アステラス製薬/寿製薬:イプラグリフロジンL-プロリン]
 アステラス製薬と寿製薬は1月11日,アステラス製薬が選択的SGLT2阻害剤「イプラグリフロジンL-プロリン」(一般名,製品名:スーグラ®錠)について,日本での1型糖尿病に関する効能・効果追加の承認申請を行ったと発表した。
 1型糖尿病は,膵臓のインスリンを分泌するβ細胞が主に自己免疫により壊され,インスリンの欠乏が生じることにより発症する。日本で糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人と推定されている。また,糖尿病患者のうち1型糖尿病患者は約6%を占めると言われている。
 同製剤は,両社が共同開発を行っている選択的SGLT2(Sodium-Glucose Co-transporter 2)阻害剤。SGLTは細胞表面に存在する膜タンパクで,ブドウ糖の細胞内への輸送を司っている。SGLT2はSGLTのサブタイプの1つであり,腎臓近位尿細管でのブドウ糖再取り込みで重要な役割を担っている。SGLT2を選択的に阻害することでブドウ糖の再取り込みを抑制し,血糖値を下げる。
 同製剤は,2014年1月に2型糖尿病を効能・効果として製造販売承認を取得し,2014年4月より販売している。




国内承認情報


[ノバルティス ファーマ:タシグナ® カプセル50mg,同150mg,同200mg]
 ノバルティス ファーマは12月25日,「タシグナ®カプセル50mg,同150mg,同200mg」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)について,慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病(CML)を効能・効果として,小児に対する用法・用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。
 今回の承認は,初発もしくはイマチニブまたはダサニチブに抵抗性または不耐容の慢性期CMLの患児58例(日本人9例を含む)を対象にした国際共同第II相試験に基づく。
 初発の慢性期CML患児のうち,主要評価項目であるサイクル12時点までに少なくとも1回分子遺伝学的効果(MMR)が得られた割合は,64.0%(25例中16例)(95%信頼区間[CI]:42.5,82.0)だった。イマチニブまたはダサニチブ抵抗性または不耐容のCML患児のうち,MMRが得られた割合は,サイクル6時点で39.4%(33例中13例)(95%CI:22.9,57.9)だった。患児で観察された主な副作用は,頭痛(27.6%),高ビリルビン血症(20.7%),発疹(20.7%),悪心(15.5 %),斑状丘疹状皮疹(13.8%),嘔吐(12.1%),脱毛症(10.3%)等だった。
[MSD:キイトルーダ® 点滴静注20mg,同100mg]
 MSDは12月25日,ヒト化抗ヒトPD-1(Programmed cell death 1)モノクローナル抗体「キイトルーダ®点滴静注20mg,同100mg」(一般名:ペムブロリズマブ[遺伝子組換え])について,がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんに対する効能・効果を追加する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表した。
 同製剤は,プラチナ製剤併用化学療法による治療中または治療後に疾患進行した局所進行性または転移性の尿路上皮がん患者を対象とした国際共同第III相臨床試験(KEYNOTE-045試験)で,有効性と安全性が示された初めての免疫チェックポイント阻害薬。
 尿路上皮がんは,尿路上皮から生じる腫瘍の総称であり,膀胱がん,腎盂がん,尿管がんと,尿道がんを含むが,尿路上皮がんの中でも膀胱がんの占める割合が約95%となっている。日本での膀胱がんの推定総患者数(有病者数)は約66,000人,2015年の推定新規患者数(罹患者数)は約21,000人であり,罹患率は増加の一途をたどっている。根治切除不能な尿路上皮がんに対しては,全身化学療法が標準療法として行われているが,既存治療後に増悪した場合の選択肢は限られていた。今回の効能・効果の追加により,治療の選択肢が広がると期待される。
[佐藤製薬/エーザイ:ネイリン® カプセル100mg]
 佐藤製薬とエーザイは1月19日,佐藤製薬が経口抗真菌剤「ネイリン®カプセル100mg」(一般名:ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物)について,「爪白癬」を効能・効果とする医薬品製造販売承認を取得したと発表した。両社は,同製剤に関連する適正使用情報を共同で提供する。
 同製剤の有効成分であるホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物は,エーザイが創製した新規のトリアゾール系抗真菌剤。佐藤製薬は,爪白癬患者を対象とした国内第III相臨床試験を実施し,同製剤の有効性と安全性を確認したことから,2017年1月に製造販売承認申請を行った。
 爪白癬は日本人の10人に1人,約1,100万人が罹患していると報告されている。今回の医薬品製造販売承認取得により,経口の爪白癬治療剤としては約20年ぶりの新薬誕生となる。




臨床試験登録情報


[CANTABILE試験:Comparison of canagliflozin vs. tenegliptin against basic metabolic risks in patients with type 2 diabetes mellitus]
・DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)阻害薬およびSGLT2(Sodium-GLucose Co-transporter 2)阻害薬が2型糖尿病患者におけるメタボリックリスク因子に与える効果
・国内試験ID:UMIN000030343

試験概要
 CANTABIE試験は,メタボリックリスクを有するわが国の20歳以上85歳未満の男女の2型糖尿病患者を対象とする介入試験で,目標参加数は200名。メタボリックリスクを有する2型糖尿病患者にHbA1c 7.0%未満を治療目標として,テネリグリプチン(商品名テネリア,田辺三菱製薬),またはカナグリフロジン(商品名:カナグル,同)を24週間投与し,実薬標準治療群との間で,メタボリックリスク因子に与える影響を比較検討するもの。(ランダム化並行群間比較,オープン試験)。
 介入試験 ①:A群:テネリグリプチン群:テネリア錠20mgを1日1回20mg(1錠)を治療期間0週来院日の翌日より,治療期間24週まで経口投与する。なお,20mgで治療を継続後,治療目標に達しない場合,医師の判断で1日1回40mg(2錠)に増量可とする。
 介入試験 ②:B群:カナグリフロジン群:カナグル錠100mgを1日1回朝食前または朝食後に100mg(1錠)を治療期間0週来院日の翌日より,治療期間24週まで経口投与する。
主要アウトカム:下記のいずれかを満たした研究対象者数の割合とする。
 ① 治療期間0週にBMI(body mass index)25kg/m2以上で,治療期間24週時に3%以上体重が減少した。
 ② 治療期間0週時の収縮期血圧が130mmHg以上または拡張期血圧が85mmHg以上で, 治療期間24週時に収縮期血圧が130mmHg未満かつ拡張期血圧が85mmHg未満になった。
 ③ 治療期間0週時の空腹時TG(トリグリセリド)が150mg/dL以上またはHDL-C(高比重リポタンパクコレステロール)が40mg/dL未満で,治療期間24週時に空腹時TGが150mg/dL未満かつHDL-Cが40mg/dL以上になった。
 進捗状況:開始前/Preinitiation(2018年1月5日公開)
 責任研究施設:国立循環器病センター
 試験責任者:細田公則(医師)


[JUNP Study:Japan Unified Protocol Clinical Trial for Depressive and Anxiety Disorders]
・不安障害とうつ病性障害に対する診断横断的な認知行動療法の有効性に関するランダム化比較試験
・国内試験ID:UMIN000030708

試験概要
 JUNP Studyは,うつ病性障害と不安障害のある20歳以上65歳以下の男女(目標参加者数104名)を対象として,通常治療に認知行動療法を併用する介入群と,通常治療のみで認知行動療法を待機する対照群について,臨床的有効性としての主要評価項目を21週のGRIDHAMDに設定し,介入群の対照群に対する優越性を検証するもの。また,安全性は有害事象を指標として比較検討する。
 介入試験 ①
 被験治療:通常治療に統一プロトコルを併用
 統一プロトコルは,患者が不快な感情にどのように向き合い体験するかを学び,そのような感情により適応的なかたちでどう反応するかを学ぶのを助けるように作られている。このプロトコル実施の訓練を受けたセラピストとの個人治療セッションとして行われる。マニュアル化された治療の一環として,各患者にはワークブックが提供される。この治療期間中,通常治療を継続する。
 進捗状況:第III相(2018年1月6日時点)
 介入試験 ②
 通常治療を継続しながらの待機。
 待機期間中,参加者は統一プロトコルを受けないが,待機期間後に統一プロトコルを受ける。待機期間中は,通常治療を継続する。
 主要アウトカム評価項目
 21週時点でのGRID-HAMD17項目版で測定されるうつ・不安症状。
 副次アウトカム評価項目
 21週の他覚的不安症状の重症度(HAM-A)
 21週の臨床全般印象度-重症度(CGI-Severity)
 21週の臨床全般印象度-改善度(CGI-Improvement)
 21週の治療反応割合(21週のGRID-HAMDがベースラインに比べ50%以上の得点減少)
 21週の寛解割合(21週のGRID-HAMDが7点以下)
 ベースライン時に確認された精神科診断の21週時点での有無(SCID)
 責任研究施設/研究者
 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター 伊藤正哉




学会・団体


統合失調症における社会機能障害への
大脳皮質下領域の関与を発見


東京大学/大阪大学/AMED


 AMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)と東京大学,大阪大学は1月19日,東京大学大学院医学系研究科精神医学分野の越山太輔大学院生,笠井清登教授,大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授らの研究グループが,磁気共鳴画像法(MRI)を用いた研究により,統合失調症において,大脳皮質下領域に存在する視床の体積が健常者に比べて小さいという既知の報告を再現するとともに,統合失調症の社会機能障害に,大脳皮質下領域での神経回路の要である視床の体積異常が関与することを新たに見出したと発表した。
 研究結果は,統合失調症患者にとって社会生活の支障となっている社会認知機能や日常生活技能の障害の基盤として,視床を中心とする神経回路の機能不全が重要であることを示した初めての報告となる。これにより,統合失調症の病態解明の一助となるとともに,社会生活機能リハビリテーション法の開発に貢献すると考えられる。この研究は,AMEDの「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」や文部科学省科学研究費補助金などの支援により行われた。
 研究論文「Role of subcortical structures on cognitive and social function in schizophrenia」は,「Scientific Reports(オンライン版:1月19日)」(DOI:10.1038/s41598-017-18950-2)に公表された。


千里ライフサイエンスセミナー
「老化メカニズムと疾患制御」開催

2018年5月30日(水)
千里ライフサイエンスセンタービル

千里ライフサイエンス振興財団


 公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団は,2018年5月30日の10:00~ 15:50,大阪府豊中市の千里ライフサイエンスセンタービル5階 山村雄一祈念ライフホールにて,千里ライフサイエンスセミナー「老化メカニズムと疾患制御」を開催する。
 コーディネーターは,大阪大学微生物病研究所教授の原 英二氏と東北大学大学院医学系研究科教授の片桐秀樹氏。
 老化関連疾患は,個別の対処療法的なアプローチのみでは効果が限定的なため,老化の進行そのものを遅らせるなど,抜本的な対策が必要になってきている。同セミナーでは種を超えて保存された老化・寿命制御機構の全容解明とその疾患制御への応用を目指す気鋭の研究者らが,最新の研究成果について研究の現状からその問題点や将来展望にまで紹介する。
 プログラム:
 1.細胞老化のメカニズムとその加齢性疾患制御における役割 原 英二氏(大阪大学微生物病研究所教授)
 2.DNA損傷応答による心筋細胞周期制御と心臓再生能 木村 航氏(理化学研究所 チームリーダー)
 3.胸腺退縮と免疫老化 濵崎洋子氏(京都大学iPS細胞研究所 教授)
 4.臓器間ネットワークによる代謝恒常性維持と老化 片桐秀樹氏(東北大学大学院医学系研究科 教授)
 5.システム間連携による恒常性維持と加齢関連疾患における組織マクロファージ 真鍋一郎氏(千葉大学大学院医学研究院 教授)
 6.精子形成幹細胞のホメオスタシス維持システムとその経時変化 吉田松生氏(基礎生物学研究所教授)
 参加費:無料
 申込要領:氏名,勤務先,所属,〒所在地,電話番号,Eメールアドレスを明記の上,Eメール(sng@senrilife.or.jp)で申し込む。〔件名:「千里ライフサイエンスセミナーM1」〕
 http://www.senri-life.or.jp/seminar/seminar-1-20180530a.html






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